第169話ジェラシー

二人がひととおり話し終えると、リリーは慎重にその場を離れた。

甲板に出ると、冷たい手すりにもたれ、指先が無意識にハンドバッグの滑らかな表面を撫でていた。

サンライズ病院……なぜこの病院なのだ。彼らがこのファッションイベントのスポンサーになった目的は何だろう。単なる宣伝なのか、それとも別の思惑があるのか。

「顔見せ」と称して「紹介」されたあの若い男女――彼らの目には、いったい何として映っているのだろう。

芸能界の灰色のルールには慣れているはずのリリーでさえ、このスポンサーにはどうにも胸の奥がざわついた……。

顔を上げ、クルーズ船の上部デッキへと視線を向ける。上のVIPエリアを一度、確か...

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